「これで露出が少なくなって安心」



顔を赤くするには十分過ぎる言葉だった。

確かにネコのコスプレは露出が高いとは思っていたけど……。

奏多先輩も露出が多いって思っていたんだ。

なんだか、恥ずかしい。


私は受け取った衣装をもって、逃げるように更衣室へ入った。


そして数分後。

なんとか、ドレスを着ることができた私は更衣室から出る。

みんなの視線が私に集まる。


奏多先輩も……。

私を見てくれている。


私にゆっくり近づく奏多先輩。



「か、かっこいいですね」

「芽衣も。……可愛い」



王子様とお姫様。

なんだか、素敵な響き。

私にはもったいないくらいだけど。



「ここ、写真も撮ってくれるんだよね?」



奏多先輩がクラスメイトのひとりに尋ねる。