ねこ先輩に「好き」を伝える方法。

「芽衣」



奏多先輩が私の名前を呼ぶ。

奏多先輩を見れば優しく微笑んでいて。

まるで、私の心を見透かしているかのように……。



「教室に戻りな?」


そう、頭を撫でてくれた。

奏多先輩の温かさが心に染みる。

私は大きく頷いた。



「教室戻ります! あの、ありがとうございました!」



素敵な先輩方に頭を下げてから私は屋上を飛び出した。

向かうは教室。

静かな廊下を走る。

心臓がバクバクしている。

これは走っているからなのか。


それとも……。

……教室が見えてきた。

私は走るのをやめ、呼吸を整える。


大丈夫だよね?

私、この教室に入ってもいいんだよね?


今更ながらに不安になってくる。