ねこ先輩に「好き」を伝える方法。

黒い渦が心の中に広がる。

空気も重くなったように感じる。

それは彼女も感じたようで。



「そろそろ帰るね」



気まずい顔をして教室を出て行った。


残されたのは縫いかけの衣装と、ぽっかり空いた心。

友達って本当になんだろう。

私には分からないや……。


重たい心に気づかないふりをして、私は衣装を縫い続ける。

作らなければならない衣装は山のようにある。

そのおかげで、私は気分を紛らわすことが出来ているのかもしれない。



「はあ、」



大きなため息。

こんなんで文化祭楽しめるのかな。

そもそも、学校生活を楽しめるのかな。


……苦しいや。

泣きたくなんてないけれど。

頬に伝うのは冷たい涙だった。


……私、泣いているのか。

もうどうしていいのか分からないよ……。


そんなとき。