ねこ先輩に「好き」を伝える方法。

「直ってよかったですっ」

「……芽衣のおかげだよ」

「私はなにもしていませんよ」



そう言った私に、奏多先輩は首を横に振る。

パソコンの前の椅子に座ったまま、立っている私を見上げる奏多先輩。

その目はどこか揺れていた。



「さっき、芽衣が部屋を出て行ったとき、」

「……?」

「怒らせちゃったかと思った」



なんでっ?

なんで、そうなったの?

奏多先輩の発言に私は首をかしげる。



「放置しちゃったから……。それで、怒ったのかな、と」

「そんなことで怒りません」



確かに放置されたら寂しいけれど。

奏多先輩は一生懸命やっているのを分かっていたし。

焦る気持ちだってわかるし。

ピリピリしているのを一生懸命、見せないようにしていたのも伝わるし。

っていうか、そもそも、放置されたと思っていない。