「それより本題だ。オウガよ、そなたの意思は固まったか?」

「はい。陛下……」

「それは良い返事と受け取ってよいのか?」

「はい」
 
 一体何の話をしているのだろうか?

「その前に陛下。陛下の御前にて、セリカの確認を取りたいのですが、よろしいでしょうか?」

 エリアノ陛下が頷いたのを確認し、オウガはセリカの前に跪いた。

 黒の騎士服を着たオウガが跪くと絵になる。

 かっこいいなー。

 なんて思いながら、ボーッとしていると、跪いていたオウガが、セリカの右手を取り自分の右手の上に重ねた。

「セリカ……俺はあの日、約束したことを守りたい。あなたをもう一人にしないと約束した……」

 えっ……何?

「あなたを幸せにするとエリアノ陛下の前で誓う。俺にあなたを一生守らせてほしい。どうか我が妻となって……」

 これって、もしかして……。

 プッ……プロポーズーーーー!!!!

 突然のことにセリカの頭の中はパニックをお越し、オウガの話を最後まで聞くことなく返事をしていた。

「はい」っと……。

 その返事を聞いていたエリアノは嬉しそうに開いていた扇をパチンッと閉じ、目を細めた。

「そうか、それはよかった。では、この国を頼んだぞ」



 ???


 この国を頼んだぞ?


 キョトンとした顔でセリカはオウガとエリアノを交互に見やる。

 状況が全く分からないセリカの前で何故かオウガが青い顔をしていて……。

 オウガ?何でそんな顔を……?