離してよ、牙城くん。



いいんだ……。


淡路くんは、なんとなく、牙城くんよりも不思議なひとな気がする。




わたしにこうやって絡んできて、牙城くんのこと怖いと思いながらも飄々と話しかけてくる。


本心が読めなくて、正直、心がムズムズしちゃう。



ただからかってるだけにしても、こっちは告白(のようなもの?)をされたおかげで意識しまくり。


単純だけど、仕方ない。




まずまず、牙城くん以外の男の人に免疫がなかったから。


いつも休み時間は牙城くんに連れ去られちゃうし……、ほかであんまり男の子と話す機会なんてなかったからなあ……。



淡路甘くん。要注意人物だ。




「俺のこと、牙城にはナイショな」



「え、……うん」




ふっと笑い、淡路くんは呟いた。





「あいつが暴れ狂うのはめんどいからね」


「あばれ……?」




「ううん。頼んだよ」



「わか、った……」