離してよ、牙城くん。



にこっと目を細められ、目をパチパチと瞬かせる。


これ以上追及するべきではなさそうだから、同じようににこりとするだけにした。



「俺さぁ、実は朝倉さん狙ってるんだけど」


「え、そうなんだぁ……」



それじゃあ、話は終わりだね……って、え。


……んん?!ねらってる?




唖然として、もとに戻るまで、
きっかり3秒。






「ふぁいっ?!なんて?!」





ちょちょちょ、問題発言!


当の本人は、にこにことなにその余裕?!




わたしの聞き間違い?……え?




「だってさ、朝倉さんって性格ほんわかしてるし優しいし。もちろん外見もとにかく可愛いだろ。男ならだれだって好きになるわけ」



「……あ、の、」




「けど、最近そんなこと言われるのあんまりなかったでしょ?
それって、牙城渚が怖いからだよ」



「へ、へえ、……」