離してよ、牙城くん。



案外あっさりと丸めこめてひと安心。


牙城くんは意外と素直で、約束もぜったい破らないから信用できる。




あと、ひとつ思ってたこと。


わたしには牙城くんの謎のお約束三か条があるわけで。

わたしはそれにのっとって牙城くんと接しているのに、彼はそうじゃないんだもん。自由の身。

それって、フェアじゃない。


だから、最低限のことはきちんと守ってほしい。





それを牙城くんに伝えたら、「そーゆうとこ賢いよね」と笑われてしまった。




その言い方じゃ、ふだんはあまり賢くないみたいじゃない……?



……いや、そのとおりなんだけど。




ふう、とため息をついて結局あまり食べられなかったお弁当の箱を閉め、片付けをはじめる。


わたしのその様子を見ていた牙城くんは、わたしに「口あけて」と謎の要求。