離してよ、牙城くん。







……と思ったけれど。



「……牙城くん、今度はなしだよ?」




ぷくりと頬を膨らませて言うと、牙城くんは反省したようにおとなしくコクリと頷いた。



次はなし、なんて……緩かったかな?


もっと厳しめに注意したいけれど、さっき牙城くんに嬉しいこと言われたから緩和して。

ここはプラマイゼロということでぐっと我慢。



本当はその寝顔の写真をいますぐ消してほしいくらいなんだけどね……。



わたしの写真なんかで牙城くんが煙草をしない理由となるなら、いいかな、なんて思っちゃうんだ。

煙草は、やっぱり体に良くないっていうから。




つくづく、わたしは牙城くんに弱いと思う。




「もし、また撮ったらどーなる……?」


「……さては反省してないでしょ」



「してるしてる。
ただ、どうなるかだけ聞きたいなぁ、と」


「1週間口聞かない!」





「それはキツ……」