離してよ、牙城くん。



さっきの嬉しさはどこかに吹っ飛んで、問いつめる。



これは……、なんだか嫌な予感。



ほら、ちょっとだけ牙城くんの目が怪しく泳いでる……!



圧をかけて白状させようと試みていたら、ようやく折れたのか牙城くんは口を開いた。




「えー、……まあ、百々ちゃんが昼寝してたときに可愛い寝顔をパシャりと……ね」


「はい?!それ盗撮……?!」



「ももちゃーん、……トーサツなんて人聞き悪いって」



「本当のことでしょ?!」



「……それで癒されてんだもん、」





シュン、と頭についたありもしない犬の耳を垂れて、落ち込む牙城くん。


か、かわいい……、じゃなくて!




ここで言わないと、ぜったいまたする!


それは断固拒否だから、厳しめにお説教。