離してよ、牙城くん。





道端でのキスは、何回めだろう。

お互いの愛を貪るように、何度も何度も合わさる唇。




土曜日の真っ昼間。


さすがに外で熱いキスをしている俺らはだいぶと視線を集めているようで。






「あーっ、あのひとたち、ちゅーしてるっ」




ひとりの小さい男の子に指を指されてから、やっと俺たちは密着した身体を離した。

こらっ、と気まずそうに叱っている男の子の母親と目が合い、爽やかな笑顔を作って会釈した。




「……わ、わたしってば、なんてこと……っ」




いまさらになってけっこう恥ずかしいことをしていたことに気づいた百々ちゃんは、真っ赤になって俺の胸を弱い力で叩く。


俺からすれば、百々ちゃんなんか非力だし、猫パンチだし。

守ってあげたい女の子、それだけなんだって。