離してよ、牙城くん。




ナギが【狼龍】の総長になり、重荷に感じていたころも、彼を支えた。

ナギが、みんなに慕われていることを知ってほしくて、たくさん手を焼いた。




案の定、総長のナギはかっこよくて、素敵で、手放すことができなかったんだ。






でも。



「……ごめん、ナギ。もういっしょにいられない」





そうはっきり伝えたのは、1年後の冬だった。


祥華との関係もズルズル続け、もうこれ以上ナギをだまして過ごすことができなくなっていた。




きっと、ナギの耳には、わたしと祥華が仲良くしていることが入ってきていたと思う。



……わたしは、ナギの【狼龍】の仲間なのに、【相楽】の総長である祥華と会っていて。

それを知っていたはずなのに、ナギは何もわたしに聞いてこなかった。




その優しさに甘えて、ナギをひどく傷つけていた自分が大嫌いで。


冷えた外で、彼に別れを告げたんだ。