離してよ、牙城くん。




強い女の人になりたくて、合気道を習い始めたわたし。


合気道がうまい人は何人も見てきたし、稽古も得意なほうだったおかげで、自分の腕には自信があった。


さらにはケンカがすごく嫌いだったわたしの鼻が……、ぽっきりと折れちゃったの。





あんなにも人を魅了するような拳の使い方をする人を見たのは、はじめてだった。


そもそも不良なんて関わったことがなかったし、見たことだってほぼない。




だけれど、この人は、ほかとは違う。

そう、素人ながらに感じたんだ。





なんとか言葉を絞り出したわたしに、彼はまだまだ硬直していたけれど、すぐにふっと笑って答えてくれた。




「……合気道、かっこいいじゃん」