離してよ、牙城くん。






「ああ……、ナナのこと、知りたい?」




ゆらり、ゆらりと。

わたしの曲がった世界の中で、ひとり、悪魔のように笑って言ったのだ。






「ナナの恵まれなかったところは……、

自分の命よりも大切な妹に、嫌われてしまった不器用さ、かな?」








そこで、わたしの記憶は途切れた。