離してよ、牙城くん。





途端、ぐわん、ぐわんと。

最初は頭痛かと騙し込んでいたものが、だんだんひどいめまいだと気づいた。




「おや、もう睡眠薬が効いてきた? 早い気もするが、……まあいいか」


「す、いみんや、く……?」





「噛み付くお嬢さんは、とりあえず休ませておこうということでね。
次に目を覚ましたときには、きみの大嫌いな……いや、大好きなふたりが待ってるかもね?」




いつ、そんなもの飲ませたの……?


眠くないのに、まぶたが落ちていく。




待って。

……まだ、聞けていないの。





「な、なちゃんは……っ」




揺れる視界が真っ暗になるまえに。

なんとか絞り出した声に反応した景野さんは。