離してよ、牙城くん。




「ほ、ほら……っ、牙城くん離れよう?」




寄ったのはわたしのほうだけれど、恥ずかしさのあまり、牙城くんのせいにしてしまう。

彼はそんなことは一切気にせず、もはや見せつけようとしている。




「好きな子とは1秒たりとも離れたくないんだよなあ」


「ううっ……、ふたりいるのにやめてよ……」




「え、ふたりきりだったらいいってこと? 百々ちゃん、大胆だね」


「がじょーくん〜〜……っ」




「あっは、ごめん。あまりにも可愛くていじめすぎた」


「……っ?!」




真っ赤になっているであろうわたしの耳を、牙城くんはなんの躊躇もなくかぷりと噛んだ。


わたしをいじめてからかって。

相当楽しいのか、とっても機嫌がいい。