離してよ、牙城くん。




「やっぱ、百々ちゃんのこのサイズ感好きだわー」


「むっ、がじょーくん、さてはチビって言ってる……?」




「ちげえよ。俺が守らなきゃなあ、って思うの」


「わ、わたしだって牙城くん守るもんっ」




「へえへえ。楽しみにしてる」


「またからかってる……」




にこにこと微笑む牙城くん。

彼から逃げ出そうとするも、もちろん離してくれない。



何度か牙城くんの腕から脱出しようと身体をねじるも、がっちりホールドされて動けなかった。



はたから見たら接近しすぎなのか、……気のせいかな、花葉と淡路くんの頰が引きつっている。





「……公共の場でイチャイチャするのやめてよ」


「や、ほんと目のやり場に困るわ」




大真面目なふたりの言葉に、恥ずかしくて、ぼっと顔から火が出そう。