離してよ、牙城くん。




なんて良い人なんだろう。

こんなステキな人の親御さんが経営してるんだから、そりゃあ、あんなに美味しいスイーツができるわけだよね。


……まだおじゃましたいなあ。





彼の寛大さに感動していると、何やら花葉は淡路くんと話していて。






「……ねね、今度椎名くんとシュガガ行ってもいいかな?」


「椎名って……、美耶? 橘さん、美耶と仲良いの?」




「いやあ、いま絶賛アタック中でさ……」


「あいつなかなか手強いでしょ? でもたぶん、橘さんなら大丈夫。
そういうことなら、良い席取っておくからさ」



「淡路くん神さま?! ありがとう! いつかちゃんとお礼するから」



「いいよ、いいよ。がんばってね」