離してよ、牙城くん。




「あれ、3人とも重なってどうしたの?」



そこにやってきたのは、淡路くん。

屋上でひと休みしようと来たのか、わたしたちがいることに驚く様子もなく、腰をおろした。


お昼休みでもないのにおしゃれなパフェを手に持ち、食べている。




たまたまパッケージに書いてある店名を見ると……、え、“Syugaga”?

学校でシュガガを食べるなんて贅沢な……、と羨ましくなるけれど。



ん……?



このパフェ……、確か、明日発売の新作だ。






花葉とこのまえ、食べに行きたいねって話していたスイーツでもある。





きっと今日はまだ、発売日ではないから売ってないはずなんだけど……。






思わず淡路くんの持つそれを凝視していると、それに気づいた彼が苦笑いして言うのだ。