離してよ、牙城くん。




花葉の言葉に反応し、牙城くんをちらっと見る。


族関係ということは、牙城くんも関係しているよね?

最近、様子がおかしいのは彼もだ。



椎名さんもとなると、わたしの勘違いではないことが明らかになる。



わたしが追及の目を向けているのにも関わらず、牙城くんは知りませんとでもいうようにそっぽを向いている。


……もう、そういうことは、まったく教えてくれないんだから。






「それがおさまったら、椎名くんとたくさん遊びに行きたいなあ……」


「応援してるよ、花葉」




「〜〜ほんと百々は頼りになる!」




わたしの後ろに抱きついている牙城くんプラス、わたしの前から飛びついてきた花葉。


ふたりから挟まれ、サンドウィッチ状態となったわたしは、「ぐえっ」と可愛くない声を漏らす。