離してよ、牙城くん。




ま、まあまあ遊んでるんだ……。


だよね、そうだよね……、と思いながらも、最後の言葉が引っかかる。




面倒ごとが嫌いで女の人と連絡しない椎名さんが、花葉とはトークしている……ってことは。


途端に元気を出したのは、花葉だ。

嬉しそうに牙城くんの肩を掴み、揺らし、彼の首ががくがくと揺れる。






「えっ、じゃあ、牙城渚的に、わたし脈アリ?!」


「……うざい。うるさい。俺、百々ちゃん以外の女と話したくない」




「っ〜〜このぉ! ムカつく! おのれ許さんっ!!」


「それ、椎名にチクろうかな〜」




「牙城渚クン、申し訳ございませんデシタ」


「わかりやす」




牙城くん……、花葉で遊ぶのやめてあげて?