離してよ、牙城くん。




甘い雰囲気の中、心臓はバクバクとうるさくて。


道端で何やってるんだって、咎められてもおかしくないのに。





こんなふうに甘く溶けてしまいそうなのは……、ぜんぶ、牙城くんの魅力のせい。






「からかってねえよ。俺、本気」





クイッと顎を持ち上げられ、強制的に目線を合わせられる。



ううっ……、かっこいいよ、牙城くん。




目が会うだけで、心臓が爆発しそう。

こんな感情……、知らない。




腰を支えられ、密着しすぎて、ぜったいわたしの顔が熱いのわかってる。


それなのに、離そうとしないし、離れようともしない。




いつだって一枚うわてなのは牙城くんで、勝てた試しはまったくない。


でも、こんなにもわたしを愛してくれるのは牙城くんしかいないし、わたしもそれに応えたいって思ったの。