離してよ、牙城くん。




途端にわたしに倒れ込み、頭をグリグリとわたしの肩に押し付ける牙城くん。




……嫉妬、苦しい。

わたし、そんなに……愛されてるの?



自意識過剰じゃない? 本当に?


……嬉しい。





人けのない道端がありがたかった。


だって……、牙城くんをぎゅっと、抱きしめたいと思ってしまったから。





「うん、ごめんね……牙城くん」


「……や、百々ちゃんが謝る必要ない。俺が彼女でもない女の子にありえないくらい執着してるから」




「でも、……わたし、嬉しいよ。牙城くんに愛されて、すごく幸せ、……だもん」


「もー……、俺を甘やかしたらだめだって」