離してよ、牙城くん。




「オレ、あのあときみのこと気になって独自に調べたんだよねえ。
そしたらそれに気づいたナギくんが、すっげえキレて、大暴れ」


「お、おおあばれ……」




「そうそ。『俺の百々ちゃんに手ぇ出したら殺す』ってよ? こわいこわーい」


「あはは……」




な、なんて言うのが正解なんだろう……。

自分で聞いておいて、いたたまれなくなってきた。




「ま、そっから、モモチャンのこと知ったオレに恋愛相談持ちかけてくるわけ。都合いいよなあ、ナギくんほんと」



呆れたように呟く椎名さんだけど、その顔には牙城くんのことが大事な仲間でしょうがないって書いてある。


お互い信頼し合って、ぶつかって。




さすが、牙城くんのお友だちだなあ……って嬉しくなった。