牙城くんには、あまり心配かけないようにしないと。 ほんとに爆発しちゃうくらいに怒らせたらどうなるのか。 想像するのも怖い。 けれど、そうやって心配かけてもらえる存在であることに嬉しさも感じちゃう。 わたしの知らない牙城くんが垣間見えて、どこか不安も心によぎって。 ふーっと息を吐き、淡路くんに言う。 「それじゃあね、淡路くん」 「はいよー」 淡路くんらしい返事にくすりと笑いながら、背を向けて、家に入った。