離してよ、牙城くん。



「だから、もう今日は会わなかったことにする。俺と百々ちゃんは休日には会ってはいけない……ってちゃんと頭に刻んどいて。

今回だけはイエローカード。次はないよ」





コクリ、と小さく頷いた。


たぶん、牙城くんがわたしと休日に会いたくないのは、学校の彼とぜんぜん違うからだ。


雰囲気も、格好も、言葉も。




その世界の色にふさわしく、変化してる。





「……ここからひとりで帰れる?」




ふと、優しく尋ねてくれる牙城くんに、安心させるように「大丈夫だよ」と答える。




「牙城くん……、ケガはしないでね、」




前にも言った台詞。

だけど、このままじゃ危ないことに首を突っ込みそうで不安だった。