『やっと来たなー』

坂井君!

俺もうメシ2杯目なんてバクバク食べてる。坂井君はやっぱりイイキャラクターだね。

 社食のおばちゃんがもう用意してあるから、冷めないうちにどうぞと言ってくれる。



 まほちゃんは私をチョット上目遣いで、口元を少しだけニヤっとさせる。



ヤバい、まだ何も進展してないのですが。


 私はどんな顔をまほちゃんに向けていいのやら。


 心のなかで溜息と情けなくてゴメンナサイと呟く。




 青山君は俺の隣に座れなんて言われるし、緊張MAXです。



  

 青山君が私のエビフライ定食の前に、コトンとミニサイズの醤油ボトル。


 私はソース派何だけと、どうしようかぁ!


 「これ、九州の醤油、美味いからかけてみて、とりあえずイカフライから、絶対に美味いから癖になる。」


 ボトルには甘口醤油とか書かれていた。


 青山君が私をジッと見つめるのでイカフライに醤油を数滴たらし、一口パクっと食べてみる。



 醤油なのにほんのり甘く、思わず『う〜ん』と癖になる。


「美味しい」と大きな声で出てしまったものだから、3人にしっかり笑われてちょっと恥ずかしい。



 でも何で九州の醤油?考えていたら。



 「俺、福岡出身だから」



え、え、え、!



 好き人なのにそんなことも知らず、頭がガクッと下がると、ほら早く食べろと、また頭をポンポンとされ私は甘口醤油の味がするエビフライをパクっと食べ。




何だかこの甘さがまるで初恋の味見たいなんて想いながら、しっかり噛みしめる。






  


    私の甘〜い恋の味