でも、できないから。


じゃあ、潔く2人で忘れたい。


「わかった。でも、俺が涼音にしたことは、別のやつが夢にいたわけじゃないから」


「ねえ、それ、どういう......?」


「忘れるんだろ?」


「うん」


「じゃあ、この話終わりな。涼音、明日海行こ」


「海......?」


「車は兄貴が出してくれる」


え、怜、どうやって動かしたの。


あんなに普段、めんどくさがり屋なのに。


「この前の雨漏りの修理の礼、もらおう」


「うん!」


やっぱり、今日のことは忘れられない。


忘れるって、私から言い出したけど、心の隅っこに置いとくぐらいは、してもいいかな。



同居生活、あと3日。


きっと、1番覚えてること。