落ち込みながら、授業を受けて、もう放課後。


今日は雨で部活も休みだから、帰る準備をしてる。


図書館に寄って、本を借りて帰る途中の暗い廊下で、聞いてしまった。


「私、怜先輩が好きです」


あ......。


っ、ほんとに悪役じゃん。


受け入れないでって、思ってしまう。


聞いちゃダメなのに、聞いちゃう。


脚が動かなくて、そこにしゃがみこむ。


「ごめん、俺、君とは付き合えない」


「なんで、ですか......」


女の子の声は、震えてた。


「涼音ちゃんが、好きだからですか......?」


え、なんで、私......。


「涼音は、幼馴染み」


その言葉を聞いた瞬間、動かなかった脚が急に動くようになった。


怜が何か言ってるのはわかったけど、言葉は聞き取れなくて。