久しぶりに聞く、低い声。


「怜くん、俺、涼音泣かしたら許さないって言ったよね?」


朝陽くんも負けじと言い返す。


もう、涙は止まっていた。


「朝陽、怜、何してんだよ」


もう1人、拓馬先輩の声。


「......行くか」


怜がそう呟いて、朝陽くんとグラウンドへ歩いて行った。


「はぁ......ああ」


一気についたため息 。


どんどん、悪い方向へ進んで行っちゃう。


怜は、なんであんなことしたの......?


もう、別れたじゃん。


幼なじみにも、戻れてないんだよ......。


もう、他人なのに。


わかんないよ。


怜は愛香さんの許嫁なわけで、私はもう彼女でもなんでもない。


なんで、電話、毎日かけてくれるの?


なんで、あんなこと、したの?


私、期待しちゃうじゃん。


まだ、私の事好きでいてくれてるのかなって。


私、まだ、諦められないや。