そんな辛い日々だけど、入れてる予定は来るもので。


『じゃあ、11時からな』


昨日のLINEを見ながら、予定の時間を確認する。


時計を見たら10時半。


ヤバい......。


急いで階段を駆け下りて、朝ごはんを食べる。


あと20分で家出なきゃ。


大急ぎで準備して、勉強道具を持って時計を見たら、10時50分。


「いってきまーす」


息を切らしながら、家を出た。


「あっ」


「あ......」


怜......。


隣を通り抜けようとした。


「待て」


「私、急いでる......」


「なあ、どうした?最近」


「なんでも、ないよ」


あの女の人のことなんて言いたくなかった。


怜の口から直接彼女なんて聞いたら、きっともう、立ち直れない。