「んー......」


朝起きて、いつもより早い時間だから、まずは怜の部屋に。


「あ......」


何も置かれてない部屋に、全てを思い出す。


ああ、もう、いないんだった。


怜との同居生活は、私に結構な影響を与えてくれてたみたいで、怜はお向かいの家にいるのに悲しくなる。


会いに行けばいいのに、よぎっちゃう。


怜と女の人が一緒にいた光景。


それを思い出すと、もう、会いたくなんてなくなって。


「はぁ......。弱いな、私」


ぎゅうっと、自分で自分の手を掴む。


早く慣れなきゃ、あの人が彼女さんかどうかはわかんないけど、怜の好きな人は間違いなくあの人。


あんな優しい顔、ほとんど見ないし。


考えれば考えるほど、辛くなる。


部活にはなんとか行ってるけど、怜といつもみたいに話せない。