【完】狂犬は欲望中毒。






震える体を起こして、閉まっているドアの左側に隠れる。


死角になっているから、男が部屋の中に入ってくるまで私の姿は見えないはず。



心臓が鈍く鳴り響く。


落ち着かない心臓を静まらせようと、深呼吸をする。



ーーそして。



ガチャッ!とドアが勢いよく開く。


「おい女……!」と男が部屋の中に入ってきた瞬間、いるはずの私がベッドにいないことに驚いて目を見開いた隙に。



「……っ!!」


勢いよく部屋から出る。



「て……めぇ!!ふざけんな!!」


飛び出してきた私を反射的に避けてしまった男が怒鳴りながら、すぐさま追いかけてくる。




ふと、倉庫の一階を見ると。



「……っ」



左和季の姿がそこにはあった。



まさか居るなんて思ってなかったから……左和季君を見ただけで、ジワジワと涙が込み上げてきちゃった。


泣いてる暇なんてないのに。



左和季君も私に気づいて、驚いた顔を見せる。