私の短い髪を耳に掛ける男が目を細め笑う。
「耳、ちょっと赤いけど。
左和季はいつも"ここ"に跡つけてんの?」
「……」
「なるほど、こうやって左和季はお前に色気ださせてるわけね」
「ちが……っ」
確かに左和季君は耳を甘噛みしてくる時があるけど……!
けっして、そういうつもりでしてるわけじゃないよ!……多分。
羞恥を煽られ、顔に熱が集中する。
男がゆっくりと顔を近づけてきた。
や、やだ。
左和季君じゃないと嫌なのに。
堪えていた涙が頬を伝った時。
ーーガンッ!!
部屋の外が急に騒がしくなり始める。
「……チッ、うっせぇな有栖川の奴」と、男は一度動きを止め文句を言うけど、また動きを再開した。
だけど、ドア越しの雑音が気になってしょうがないのか、また舌打ちをすると同時に私から離れて立ち上がると、外の様子が気になるのか部屋から出ていった。


