【完】狂犬は欲望中毒。








「いつまでも座ってないで立て、左和季の女。
 ……今からたっぷり可愛がってやるっていうのに、既にそんなんじゃ可愛がりようがないだろ。」



私を見下ろしながら言う男。



……正直、足に力が入るかどうか分からない。


時間稼ぎになるかどうか分からないけど
左和季君が来るまで……逃げなきゃ。



男の言うことに従う素振りで立ち上がると、男が瞬きをした一瞬の隙に走り出す。



「おいおい、……こんなところで鬼ごっこかよ。
 めんどくさいなー左和季の女は。
 カップル揃ってほんと、腹が立つ」




ため息を吐きながらゆっくりと近づいてくる男は、獲物を狙う鋭い目付きで私を怯ませる。