【完】狂犬は欲望中毒。








雪よりも冷たい、女達の笑い声が響くと。


有栖川さんは取り巻きを連れて、倉庫から出ていった。



「……っ」


瞑静と雪紅は元々組んでいたなんて知らなかった……。


いや、左和季君ですら知らなかったのに、私が知ってるわけないよね。


なのに有栖川さんは平然と族の集会に来てたってことは。

あの時も、潰された瞑静に情報提供するためにわざと集会に出たってこともありえるかも。


でも有栖川さんの1番の狙いは左和季君だったなんて。


初めて有栖川さんを見た時、あまりにも綺麗すぎて
絶対恋敵に回したくないって思ったけど。



左和季君……有栖川さんの誘惑に乗らなかったって。



その事だけがひたすらに嬉しい。



でも。


今の状況は変わらない。



男とふたりっきりにされたことで、有栖川さんが居た時よりも緊張感が走る。