「……え」
「申し訳ございません、僕のミスです。教育係である大園さんにも何も相談せず、独断でやってしまいました。多大なるご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。」
そう言って深々と頭を下げたまま、木嶋さんは社長が声を発するまで頭を上げようとはしなかった。
私は木嶋さんの横で同じように頭を下げると、社長の声が頭上から降ってきた。
「木嶋くん、やる気があるのは認めるが、会社にとってはひとつのミスが命取りなんだよ。今回は新人だから大目に見るが…そこはしっかり自覚を持って行動してくれ」
「はい、申し訳ございませんでした」
社長の言葉に、再び深く頭を下げた木嶋さんに私も続けて頭を下げた後、2人で社長室を出た。



