再びよぎる嫌な予感に、俺は眉を顰めた。


「何を考えてる」

「この写真をね、噂付きで流すの。課長と明里は不倫してる…って。」

「…な!」

「皆意外と信じると思いますよ。だって、課長ってば、あからさまに明里を贔屓してるんですも〜ん。周りの社員も皆それに気づいてるし、実際怒ってる人だっているから」

「……何がしたい?」


勝ち誇ったような笑みを浮かべる女に、俺はそう問いかけた。


「今日は付き合って6年目の記念日なんですよね?もし、会うつもりだったんなら会うのやめてください」

「何言って、」

「もし会うんだったら、さっき言ってたこと…本当にしちゃいますよ。噂も、写真も全部ばら撒きます」