《陸side》 目の前から男と走り去っていく明里を、俺はただ呆然と見ていることしか出来なかった。 当たり前の報いだ、と思った。 〝あの日〟の事を聞かれて、嘘をついてしまったから。 俺は、不意にあの日の事を思い出した…………。 . . .