10センチ…5センチ…3センチ…と近づいてくる顔。 息が止まる。 瞬きが出来ない。 鼻と鼻がくっつきそうな距離にまで近づいた時、木嶋さんの動きが止まった。 ……かと思いきや、木嶋さんは私を試すかのような口ぶりでこう言った。 「明里さんは、絶対に俺の事好きになるよ」 その声にハッとして我に返った私は、思い切り木嶋さんの胸板を押し退けた。