「わ、わかった」 私がそうぎこちなく返事をすれば、木嶋さんは何だか嬉しそうに笑った。けれど、その表情はどこか寂しげで……。 本当に、何を考えているのか分からない。 「じゃあ明里さん、ちょっと今日は先に会社行きますね!課長から早めに来るように言われてて」 そう言うと私に軽く手を振り、走り去って行った。 私もそんな木嶋さんにつられて手を振り返す。 木嶋さんがいなくなり、再び私に静寂が訪れた。