「急にごめん。どうしても今日話しておきたい話があって」

「話……?」


嫌な予感が脳裏を過って、体に力が入る。

もしかして……別れ話……?
そう思い、陸の次の言葉に身構えた。


「俺、出向する事になった」

「そう……ん?」


思っていた内容とは違い、つい不自然な相槌をしてしまう。


「それで、出向先が明里の会社でさ。すぐじゃないけど、もう少ししたら行く事になる。いい経験になるから、行ってこいって社長に言われたんだよ」


そう言うと、陸は珍しく私に微笑んだ。