木嶋さんの冗談に乗っている暇はない。
早くしないとみんなが心配するし、迷惑だって掛けてしまう。

そのためにも早めに社内の誰かに連絡して、業者を呼んでもらわないと。


そう思い、無理やり奪おうと手を伸ばしたけれど、わざと高いところに携帯を持ち上げられ、無念にも手が届かない。


「ねぇ、木嶋さん。ここは職場なの、そろそろ怒りますよ」


そういえば、木嶋さんはふっと笑顔を消した。そして……木嶋さんはあらぬ事を呟いたのだ。


ーーー「俺と、浮気しようよ」