そして間もなく扉の方へ向かって歩き出す木嶋さん。 けれどもそれは全く強引じゃなくて、私を気にかけてくれているのがすごく伝わってくるような歩き方。 もしかして……私の様子が変だって気づいてくれたの……? 手を引かれるままオフィスルームを後にした私は、ただじっと木嶋さんの背中を眺めていた。 何だか今日初めて誰かの優しさに触れて、じんと目の奥が痛くなった。