そんな時、車内アナウンスが流れて、私の思考は一旦そこで遮断された。


「もう着くのか〜。今日はありがと!おつかれ!」

「こちらこそ〜!今日は彼氏さんと存分に楽しんでよね〜?」


ニヤニヤとした緩んだ表情を見せながら手を振る雪は、何だか自分の事のように嬉しそうで少し笑ってしまう。


「うるさいわっ!」


なんてツッコミながらも、雪の存在には本当に感謝している。

何があっても、雪だけはたった1人の大切な同期であり、親友だ。


「じゃあね!」


下に気をつけながら電車を降りると、私は軽い足取りで改札口へと向かった。


早く家に帰って、美味しいディナー作らないと!!

もちろん、材料も調達済み。
あとは作るだけなんだから〜〜!


そう思いながら、足を早めた時だった。


____♪♪


着信音が鞄から流れていることに気づき、ピタリと足を止めた。