そうすれば、頭上から軽い笑い声が聞こえてきて、それにつられるかのようにして顔を上げた。


「いいよ、全然。あんな所に1人で居させるわけには行かないでしょ。どうせ断られても無理やり連れてくるつもりだったしね」


そう言うと、暁さんはのっそりとベットを降りたあと、「あ、」と何かを思い出したように私をちらりと見た。


「ちゃんと何もしてないから安心してね」

「えっ……あ……、はい…」

「え?なにか期待してたの?」

「な、そんなわけ!」


暁さんは私の全力首振りに吹き出した後、「ご飯はどこかに食べに行こっか」と少しイタズラっぽく笑った。

硬直する私を後目に、暁さんはそそくさと寝室を出ていった。

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