それから数時間後、私は会社へたどり着き、オフィスルームの扉の取手へ手を掛けようとした矢先、突然課長に名前を呼ばれ振り返る。 全速力で走ってきたのだろう。ゼェゼェと上下に大きく肩を動かしながら、背中を丸め膝に手を着く課長はかなり疲れているように見える。 「どうかされました?」 私がそう問いかけると、課長はバッと顔をあげ、大きく口を動かした。 「お願いがあるんだよ……!!」 . . .