「本当にごめん…」
「大丈夫だって全然!」
分かりやすく落ち込む陸に笑いを零しながらそう言った私は、このビルの中に他の飲食店がないか確認した。
大体が要予約制なのに対し、1店だけフリーのお店があったため、私達はそこで食事をとる事にした。
さっきの高級レストランとは打って変わった居酒屋のような…BARのような…そんな雰囲気のお店。これはこれでさっきとはなんだか違った緊張感がある。
店に入るとすぐに席まで誘導してもらえ、メニューを手渡された。
それに「ありがとうございます」と言葉を紡いだ直後………
頭上から、「あーー!!!」という大きな声が鼓膜を振るわせた。
何事かと思って声の主の方へ視線をやれば、金髪の長い髪の女の子が私を指を指している様子が目に映った。
「なにか……?」
と控えめにそう問いかければ、その女の子はため息混じりに言葉を放った。



