「すみません。ちゃんと前見てなくて」 そう言って座ったまま軽く頭を下げたあと、再び席を立とうとするが、それは目の前の金髪の少年によって邪魔される。 思いもよらぬ行為に驚き、私は怪訝な目で彼を見つめた。 「お姉さんさあ、…今からヒマ?」 「……え?」 「ヒマだったらちょっと俺らと遊んでよ」 そうニヤリと笑った彼に断る余地なんか与えてはもらえず、強引に腕を掴まれ立たされる。 精一杯の力で抵抗するけれど、彼らの力には及ばず、気づけば人気一つない路地裏へと連れ込まれていた。