｢明里！体調大丈夫なの〜？｣
｢…………雪、｣
満面の笑みで私に手をヒラヒラとさせる雪だった。
｢何その顔？来ちゃダメだった？｣
そうニコニコしながら首を傾げて私を見る雪に、自然と息が荒くなる。
よくそんな平気な顔をして私と話せるね。
なんて言葉と同時に手が出そうになったが、私は唇をきゅっと噛み締めてこらえた。
｢明里が会社休むなんて相当えらいんだろうな〜って思ってさ？昨日も途中で帰っちゃったみたいだしぃ…｣
わざとらしく心配そうな表情を見せる雪に、もはや虫唾が走る。
｢なんで来たの？｣
私は笑顔を一切見せることなく、そう冷たく言い放った。
